いよいよ顔を削っていきます。
元の顔はこんな感じ。
まずは目を二重にします。
鉛筆で引いたラインに沿って、スクレーパーで削っていきます。
プラモのバリ取りなどに使う道具で、三角錐のエッジがそれぞれ切れ味のいいナイフになっていて、スジ彫りから面出しまで1本でできる便利なやつです。
これをホルダーに取り付けて使います。
ホルダーは径が合ってて手に馴染めば何でもいいと思います。リューターに比べて静かだし切削面が綺麗だし、粉が飛ばないし、微調整しやすいし事故りにくいので、今回はほぼこれ1本でやってます。
プロクソンのミニルーターを持っているので今回用にビットも用意したのですが、素材との相性が悪いのかどうにも使いにくく感じて、結局手作業オンリーでした。
注意事項として、スクレーパーは刃に弾性がないので、ぶつけたりするとすぐ折れてしまいます。今回はうっかり落として粉々になりました。比喩じゃなくマジの粉々です。折れるとかじゃなく砕けます。切れ味を維持した細かい破片が飛び散るので、取り扱いには気をつけましょう…
スクレーパーの替えが届くまでの間はデザインナイフを使ってました。
定番のやつですね。ナイフを立てたまま刃を横に動かして削る形で使います。
切れ味は断然スクレーパーに分がありますね。一度に削れる量が違うので、スクレーパーでザクザク削って、細かい調整はデザインナイフがいいと思います。
ここから先ですが、解説らしい解説はありません。
削りの過程を解説できればと思ったのですが、作業中ずっと手探りでもがいてた感じだったので、解説のしようがありません。なので、経過写真とそのとき感じたことをメモしておきます。
二重完成。
鼻下ビフォー
アフター
これだけでもだいぶ変わります。
唇周り。
第一段階。
この辺が、当初思い描いていた仕上がり。
ブライスさんの雰囲気がしっかり残ってていいんじゃない?
雰囲気を見るために仮メイク。
うーん。
この違和感は…
上唇かな。
作り笑いっぽい。
これは悪い子の顔だな。
上唇のエッジがよろしくないですね。その証拠に、エッジの影が出ないようにしてあげると違和感がやわらぎます。
第二段階。
上唇をより立てて反り返るように調整。
その過程で唇の線を一旦下げてから口角を上げる形に変更してます。唇をキュッと結んだ感じに。極端に言うとvが3つ並んだ感じです。
仮眉毛が太すぎて男前になった。
まつ毛のせいでなんか昭和の香りがする顔に見えるけど…
なかなかいいんじゃない?頼れる優しいお姉さん感。
あ、このアオリ顔はとても好き。そういえば人物イラストで多用する好みの構図だわこれ。
水平線を見つめる目だね。
女性ファッション誌の表紙感。
キリッとしてこれも十分好きなんだけど、ちょっとまだ緊張してる雰囲気があるので、もう少しリラックスさせてあげたい。口角を横に引きすぎたかな?
第三段階は口の幅を少し狭めてみました。
こんな感じになりました。メイクとつけまつ毛はまだ仮のものです。この角度が一番お気に入り。ふーん?って感じの顔。好き。
ちょっと上目遣いがあざとかわいい。
「ねえ、どう思う?」みたいな顔。
遠目だとこんな感じ。
目に光を当てると違和感があるんだけど、ちょっと眉間が険しいせいかな。下がり眉に合わせて少しおでこを削ろう。ちょっと右頬もひきつってる感があるな。
肉眼だともう十分かわいいのですが、写真越しに見ると違和感に気づけていいですね。
第四段階。
向かって左の眉間を修正。右との違いがわかるでしょうか。直線的な濃い影が入っていたのが、柔らかくなっています。
一旦スポンジやすりで整えてみました。
眉間の流れで、目の縁全体、特に目尻のあたりを重点的に削って輪郭を整えています。全体的に極端な段差を丸くした感じ。頬のラインもあちこちから光を当てて、極端な明暗が出ないように丸くしました。
眉間の違和感は無くなりましたね。
んー。下瞼をもうちょっと削ろうかな。
一旦時間をおいてクールダウンします。