植物標本のミニチュアを作る際、木材の加工が地味に大変だったので裁断機を自作してみました。
ひのきのぼう(正確には棒じゃなくて板だが)を45度に切って留め組みに仕上げるんですが、厚み2mmもあるとデザインナイフやカッターではちょっと堅すぎて辛い。
かといってのこぎりを振り回すにはモノが小さすぎてこれまた辛い。
この作業に適した道具がきっとあるはず!と思って調べたらとある記事にたどり着きました。
模型製作者のギミック侍さんの記事。
今回の自作はこちらのアイディアをほぼそのまま拝借しています。改良を加える余地がないくらい完成されてます。
付け加えるとすれば、板厚に対して45度にカットするための治具っぽいもの(未完成)くらいでしょうか。下のほうで一応紹介しておきます。
材料
材料がホームセンターですべて揃うというのも素晴らしい。肝となる刃の部分が売っているか心配でしたが、普通に売られてました。今回はすべてジョイフル本田さんで購入。ワッシャーと座金は結局使わなかった。
一番下の黒いビローンとしたものは、刃にかぶせるカバー用のゴムです。
上下に刃がついているタイプの替刃なので、上側の刃でケガしないようにするためのもの。
こんな感じで切り込みが入ってる。若干緩いので、縦に割ったものを1枚挟んで調節して使います。
仕上がり
組み立ても特に難しいことはないです。見たまんま。
驚くべきことに、この金物で作った場合、カッターマットを抜くと刃先が土台にピッタリ合うんですよ。
ほら。
マット入れるとこういう感じにお尻が少し浮くので、カッターマットの厚みに合わせて裁断ユニットの高さを調節する必要がありそうです。
すべて蝶ねじと蝶ナットにしたので、刃の交換も工具要らず。4つ買った蝶ナットが1つだけ径が違ってて使えなかったので刃周辺は2本留めですが、特に問題ないようです。バラ売りは確認を怠ってはいけませんね。
で、実際にカットしてみたもの。
入りは垂直なのですが、どうも途中から若干刃が右に逃げているようですね。垂直カットの場合はさほど気にならないですが、45度カットして組み合わせると1度弱くらいの誤差が出る模様。
まあそこら辺はやすり等で微調整できますし、カッターで切ってノミの手押しで45度を出してたことを考えれば十分すぎるくらい楽になりました。
垂直45度でカットするための治具(未完成)
水平45度カットの治具は普通に市販されてますが、垂直45度はほとんど見かけません。
しいて言うなら板を立てた状態でカットするマイターボックスという商品がありますが、主にツーバイ材用を想定して作られているようなので、ミニチュアスケールでの精度はちょっとわかりません。
できれば机の上で作業を完結したいので、購入は検討していません。
で、この自作チョッパーで垂直45度カットをどう実現しようかという話ですが。
こんな形に落ち着きそうです。
手前が試作1号、奥が2号。
試作1号
こんな感じでカットして、精度は以下の通り。
試作2号
こんな感じでカットして、精度は以下の通り。
いずれもやはり、入りの部分はきっちり45度でスタートしているんですが、厚みの半分くらいからカーブしてしまっています。
これはおそらく刃の厚みによるものかなと思っています。
というのは、切ってる最後の方で、左手で支えている板が左上に向かって「にゅっ」と押し出されてくる感覚があるんですよね。先ほどは「刃が右に逃げている」と書きましたが、実際は「板が左に逃げている」が正しいんじゃないかと。
治具のV字で両側から板を支えているので、刃が入り込んで逃げ場がなくなった板が押し出されてしまうんでしょうね。
という感じでなんとなく誤差の原因はわかっているのですが、現段階ではこれを解消する方法が思いつかないので保留にしておきます。
マイターボックス的なアプローチが一番精度出せそうな気がするんですけどね。
やってみたマイターボックス的アプローチ。
こうなることが多い。
刃を円運動でなくボール盤のように垂直に落とすことができれば、色々うまく行きそうな気がしている。
落下式ではなく、てこ式のギロチン的な。
うーん。
今日はここまでにしておこう。