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ミニチュア制作記録。たまに大きいものも。

プチブライス用のドールアイを作る【ベース複製編】

完成した型を使ってベースを作ります。

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素材を何にすべきか考えていきます。

使い慣れた材料の中での候補としては、

  • UVレジン
  • レジンキャスト(2液レジン)
  • 石膏
  • 粘土

この辺りでしょうか。あとはガラスですが、私には未知すぎて却下。それぞれ良し悪しがあるので、記載しておきます。

UVレジンは手軽ですが、白く着色するため、硬化不良を防ぐのに硬化を何度かに分けて行う必要があります。

レジンキャストは時間がかかるのと準備が面倒で少量でのトライアンドエラーには正直向かない。型をたくさん作って量産するならありかな…。

レジン系は黄変も気になるところ。

石膏は硬化時間も比較的短いし、水で混ぜるだけで比較的手軽。硬化後に乾燥が必要ですが、このサイズなら無視しても問題ないでしょう。収縮も少なく、色も白眼に近いナチュラルな白なので第一候補ですかね。ただし脆いのでコーティングは必須。艶も欲しいし、結局UVレジンは使うことになりそう。

粘土は手軽だけど、乾燥させる系はかなり縮むので却下。オーブン粘土は焼く必要があるのでブルーミックスの型では難しいかな。FIMOは結構硬めなので、浅い型なら硬化前に外せそうですが、半球はどうか分からん…石膏型に詰めたまま焼くとかなら行けそう。

 

…とか考えながら色々調べていたら、石膏でドールアイを作ってる方が動画をあげていたので、それを参考に石膏でやってみたいと思います。

Miaのアトリエ様の動画です。そう、こういう目が作りたかった…!!

瞳孔の仕様は違いますが、概ね想定していた方法でいけそうです。

この方は主に石膏にFIMOを詰めて虹彩を作られていて、そちらの動画もかなり参考になりそうです。ぜひ試してみたいところ。

 

方針が決まったところで早速複製していきます。

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数年前に買って一度使ったきり放置されていた石膏。

基本の使い方は書いてある通りです。

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秤に紙コップなどを乗せて計量し、石膏の量×0.75の水を別に用意して、水の方に石膏を入れます。

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容器を乗せて風袋引きして、

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石膏と、

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水。出し過ぎたらこよりなどで吸い取って微調整しましょう。

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水のカップに石膏を振りかける…のですが、この量では適当にぶち込んでも変わりませんね。要はしっかり混ざってダマにならなければいいので、カップ1個でもいけると言えばいけます。水を入れすぎたら混ざる前に吸い取ればヨシ!

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ちなみに使ってる皿はダイソーのレジン調色パレットです。ポリプロピレンかな?シリコン製のパレットも売ってますが、使ったことはないです。個人的にはポリプロピレン製の方が埃がつきにくかったり硬さがあったりで使いやすいのではないかと。想像ですが。

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水の計量はこういうシリンジを使うと楽。100均のメイクコーナー辺りにも売ってます。

計量には、0.1g単位が測れるデジタルスケールがあると便利です。私が持ってるのはかなり昔に買ったどこのメーカーかわからない安物なので、これから買う人はいいやつ買ってください。測定系はシンワ製なら間違いないでしょう。

少量だと計量が難しいですが、あまり厳密でなくてもちゃんと固まるので、神経質にならなくて大丈夫です。ざっくり言うと、水が多いと硬化時間が長く脆くなり、少ないと硬化時間は短く硬くなります。

この用途なら硬さは気にしなくていいし、このサイズなら硬化時間も誤差程度でしょう。

 

石膏はプリンとかについてくるプラスチックスプーン一杯で3〜5gくらいになります。8mm半球だと3gで一度に4つの型に流しても半分くらいは余る感じです。あまり余らせても処理が面倒なので、極力必要な分だけ作るのが良いでしょう。

直径0.8cmの球の体積は4/3πr³なので0.268cm³。

2個分なので0.536cm³。石膏1000gに対して硬化できる容積が1130cm³なので1.13で割って0.474g…?え、合ってんのこれ?まあいいや。

※実際石膏0.5gでやってみたら足りず、0.8gでピッタリでした。1gでやるのが良さそうですね。何か計算間違ってるのかな?分かる人いたら教えてください。

 

爪楊枝などの棒状のものでそっと撹拌し型に流し込むのですが、あまり粘性が出ないうちに流し込んだ方が裏面が平らになっていいです。簡単に削れるので気にしなくてもいいのですが、余計な手間は省くに越したことはないです。

混ぜたてはまだ粉が沈澱して分離してるので、粉が沈まなくなったら流し込む感じが理想ですが、適当でもなんとかなります(雑)。

流し込む際の注意として、気泡の問題があります。

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分かりやすいよう水でお見せしますが、ブルーミックスが水を弾くので、一気に流し込むと水の表面張力で写真のような気泡が入ってしまいます。虹彩の縁、左下の方に小さな気泡が残っているのが見えると思います。

不透明な石膏でこの気泡を確認するのは不可能なので、最初に爪楊枝などで少量を底に塗るようにしてから流し込むと綺麗に成形できます。

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※ちなみにこれはまだ粉が少し沈澱する状態の石膏泥ですね。もうちょっと撹拌してからが理想です。

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最初何度やっても同じところに気泡が入るので型取りを失敗したのかと思っていたのですが、どうやら上記の理由だったようで。一応、瞳孔の縁部分も同様に注意した方がいいでしょう。

まあこの辺はレジンでも一緒ですね。

もし気泡が入ってしまったら、次回石膏液を作った時に余ったやつをちょっと乗せて埋めてあげれば、一応のリカバリは可能です。

 

※余った石膏液は下水には流せないので、硬化させて自治体のルールに従って処分しましょう。

 

さて、ベースができたので次回は虹彩を作っていきます。