最近読ませてもらっているブログで、こんな記事がアップされているのを見つけました。
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この記事に目がとまったのは、丁度先日旦那と一緒にyoutubeで動画を見ていて、一部似たようなことを二人で話していたから。
見ていた動画は、90年代から最近までのヒットソングを年別にランキング形式でまとめたもの。CDの売り上げ枚数と順位が曲名と一緒に表示されるようなやつです。
90年代前半は、
「あーこんな曲あったねー!」
「これ小学校の謝恩会で歌ったわ」
「高校の頃この曲で創作ダンス踊ったんだよ」
「何かそれ時代感じるなあ」
という軽いノリで見ていました。
90年代前半の曲は、誰の曲で何の曲だったかよく「知ってる」し、好きなアーティストってわけでもないけど今でもサビ以外まで「歌える」し、色んな記憶とともに心に「残ってる」んですよね。たとえ好みではなくても、尖っているからきちんと刺さるというか。
ところが、90年代後半あたりからよみがえる記憶の鮮やかさが失われて行って、
「あーコレ、一時期有線ですごい流れてて参った記憶あるわ」
「何の曲だったっけ」
「んー?何だっけな」
と、色々曖昧になってくる。
1980年生まれの私にとって、90年代は思春期真っ只中。疎いながらも周りに合わせたくて流行を追い、音楽番組も好んで見ていた頃でした。(ちなみに旦那は2歳下です)
子供の頃って「学年」があるから「いつどんなことがあった」っていう記憶が結構正確に残るものだし、よく覚えてるのは当然で、そこから年を経るごとに記憶が曖昧になっていくのは、流行を追う情熱みたいなもんも高校出るころには冷めちゃうせいなのかなー?と漠然と思っていたのですが、どうも単にそういう話でもなさそうで。
動画を見ながら改めて振り返ってみると、90年代半ばにさしかかる頃から、TV企画からヒットした曲なんがちらほら出て来て、そこに「ウケ狙い」的な要素が見えてきます。純粋な「楽曲のキャッチーさでの勝負」ではなくなってきたな、と。
そしてそのまま90年代中~後半の小室ファミリー全盛期に突入すると、「ヒットは作るもの」という売り手側の姿勢が完全に前面に押し出されます。
この辺で、私は「ポップソング」からは離れました。「好きなアーティストの曲だけ追ってれば幸せ」という、個人的嗜好重視の時代に(私の中では)切り替わった。
実際90年代の終わりごろには、「ポップス」とひと括りにされていたヒットソングたちの中で、ジャンルが細分化され始め、00年代中頃くらいにかけてそれぞれにテイストの違うアーティストたちがぞろぞろと現れてきます。
聴いていても、それまでと違って、自分には全然ヒットしないなあという曲の割合がじわじわ増えて来て、だんだん興味をひかれなくなってきました。
下はそめ氏の元記事から、ジャンルの細分化に関して分かりやすい部分を引用させてもらいました。
さてこの混沌の時代に、今までポップスとして認知されていなかった「ジャンル」に特価したアーティストが、次々と出てきます。
例えば、
- R&B = 宇多田ヒカル・misa・平井堅…
- HIPHOP = Dragon Ash・RIP SLYME…
- レゲエ = ケツメイシ・三木道三
- ジャズ = EGO-WRAPPIN・PE'Z
- ゴスペル = ゴスペラーズ…
- スカ = 東京スカパラダイスオーケストラ…
など、一つのアーティストが、一つのジャンルに特化して楽曲を展開するというスタイルが90年代後半から、00年代にかけて確立されていきます。
2003年くらいの動画を見ているときに、旦那がふと「売上枚数減ったな…」と言いだしました。
確かにこのころからミリオンヒットは殆ど見られなくなり、「Automatic」で206万枚を叩きだした宇多田ヒカルでさえも、100万枚に一歩届かないところで落ち着いてしまったようです。
ジャニーズや演歌歌謡曲などファンが固定化していそうな辺りは売上の降下が他に比べ緩やかな印象だったので、私はその理由を「全体的な緩やかな売上減少に加え、大衆の好みが細分化して売り上げが各ジャンル・各アーティストに分散してしまい、かつてのような超ミリオン級のヒットが出なくなった」と結論付けました。別にわざわざ太字で書くようなことでもないんですが、一応自分の中のまとめとして。
ぶっちゃけその辺で聴いてるの飽きてきちゃったんですよね。それ以降の年代はポップスに全くアンテナを張ってなかったということも大きいんですが知らない曲が殆どになっちゃって、なんとなく聞いたことあるような気もするけど、特に心惹かれるところもない曲ばっか。
そめ氏の元記事では、私が飽きちゃったその先も考察されていて、「ジャンルのアイコンとして消費されていくアーティスト」「新しさだけの楽曲の数々」といったことに触れていて、それぞれすんなり腑に落ちました。
量産システムに飲み込まれ、「聞きやすさ」を重視するあまり個性を失いかけたアーティストが作る「表情を失った音楽」を聞く度に思うことは…?
という問いで記事は締められていますが…
私にとって、それらの音楽はもはやノイズでしかありません。「本当に必要なもの、本当に好きなものしか手元におかない」というシンプルライフを目指す身としては、巷にあふれるそれらのノイズに耳を塞ぎたくなることもしばしば。
でも、その分、本当に稀に出会える「心震わせる曲」「心躍る曲」に対する感動は大きくなったように思います。
最後にポップスの輝いてた時代に浸れる動画を貼っておきますね。
以上、雑感でした。